極限の経済 エクストリーム・エコノミー 第1部
そういえば、今週は大学入試の前期日程だったみたい。
コロナウイルスの中、学生さんは大変だろうな。
果報は寝て待てとはいうけれど、そわそわしますね。
一方で社会はそんなこと関係なく、日経平均がまた下がって話題になっていたり、世界的な株高に対しては過熱感・経済再開への期待って言われてるけど、私たちの生活自体は良くなっていますか??と不思議です。
経済の流れはどう変わるんでしょうか。
その行きつく先は、、
今回から紹介するのは↓の本です。
Richard Davies【エクストリーム・エコノミー 大変革の時代に生きる経済、死ぬ経済】
(2020年10月9日)
何回かに分けて紹介します。
今回は第1部の
「サバイバル 再生の経済」
を説明します。
その前段階に、なぜ極限状態を学ぶのかってことですね。この本の極限は
再生、失敗、未来
に触れていきます。
さらっとまとめると、わたしたちの経済を動かしているシステムを推し進めると行きつく限界と不具合を、わたしたちは知るべき。
それを知るためには、じゃあ、その極限に到達しちゃった場所に行けばいいってこと。
◆第1章 アチェ
インドネシアの、スマトラ島の近くにある州です。
2004年12月26日に地震が起きて、津波によってすべてが破壊された場所です。
いかにして再生していったか。
この章のキーワードは「レジリエンス」です。
金融システムが破壊されたアチェでは、「非公式経済」の力が強く、商取引や価値の交換が機能しました。
例をあげると、ゴールドの交換です。
ゴールドは世界共通の相場が決まっているため、いち早くビジネスを再開するための資金繰りに役立ったようです。
災害が起きてから、アチェに対してかなりの資金送られ、再建が進められました。
驚くべきは、再建プロジェクトが収束してもアチェの経済成長率はプロジェクト終了から4年間で23%。
実はここに考えるポイントあります。
先ほども説明した「非公式経済」。
GDPには表れていない知人とのつながりなどの潜在的なネットワークが経済を下支えしました。
これはつまり、人的資本が鍵ってことです。
ただ、わたしはもう一つ大切なことがあると思います。
このブログでは何回も書いています「変化を起こしたこと」だと思います。
結局変えられないものは変えられないし、ただ変化を起こせるところの生産性を向上させたのは間違いないです。
コロナウイルスの中でも同じことが言えるから、ここに少し考えさせられました。
◆第2章 ザータリ
シリアのそばにあり、難民キャンプがある地域です。
2015年のピーク時に200,000人の難民がいたみたいです。
この章では、主に2つの難民キャンプが対比されています。
ザータリとアズラクです。
この2つのキャンプの違いは、徹底的に当局に管理されたアズラクと、そうではないザータリという点です。
一見すれば、当局によって管理されたアズラクのほうが生活が良さそうですが、実際は鉄格子のない巨大な監獄と表現されています。
確かに、ザータリは起業率が42%ある一方で、アズラクは就労率さえ9%と本書に記載されています。
ここに関わっているのが「欲求のピラミッド」です。
【27 マズローの欲求5段階説】欲求を5段階に分類 動機付けに活用可能 | 1日1つ、1カ月で学ぶフレームワーク30 | ダイヤモンド・オンライン
ザータリの非公式経済の中で働いている人は、働く行為によって尊重と承認という高次の欲求が満たされています。
一方で、アズラクは自然発生する市場を厳格に抑え込んだため、承認欲求が満たされる仕事はそうそうない。
そらまあ、しんどさ感じてしまいますね。
この章の結論は、↓の2文かなあ。
【市場は衣食住という私たちの基本的欲求を満たすための場】
【市場は目的のものを手に入れるためのたんなる手段ではなく、それ自体が、人に主体性をもたらし、使命感を与え、人生の満足へと導く】
欲求のピラミッドはわたしたちの生活にも役に立ちそうです(^ω^)
そんな感じで。ありがとうね。つぎも続けて読んでいきます。