くしだんご

ひとまず気楽に自分らしく

極限の経済 エクストリーム・エコノミー 第2部

AIの導入とかで若い人に期待しています。みたいなことを言われる機会が増えましたね。
2000年より少し前くらいにITが出てき始めて、それでも導入できなかった会社は変われていないのだろうし、日本も大きく変われなかったのが現実。。

一つだけ言いたいのは、若い人たち頑張って、だけでは荷が重いのでは?と。

Richard Davies【エクストリーム・エコノミー 大変革の時代に生きる経済、死ぬ経済】
(2020年10月9日)

今回は第2部の
「サバイバル 再生の経済」
を説明します。

知るべき極限状態としては、
再生、失敗、未来
でしたね。

◆第4章 ダリエ

ダリエンは熱帯雨林に密生する貴重な樹木類や、地下資源の宝庫であり、豊かな土地となってもいいはずの場所です。
しかし、今回この土地がエクストリームとして挙げられているのは、「驚くほど脆弱な、忘れられた土地」となっているからです。

ダリエンが抱えている問題、それは
治安
です。

半世紀以上続いたコロンビア内戦により、危険地域という印象を持たれ、コロンビア革命軍の悪名が世界にとどろいていました。コロンビア革命軍は解散したものの、麻薬ゲリラなどの被害にあう村もあるようです。
そのため、ダリエン地峡野の村に住む人々も、自分たちの村に事前連絡なく訪問してくるよそ者に強い警戒感を抱きます。

しかし、ダリエン地峡で出会う人々は、アメリカに向かって過酷な道を進む経済移民の通り道でもあり、豊かな生活を求める人の一時的な避難場所になっています。

これだけの条件を聞くと、うまく運営すれば中庸を保ち、再生することは可能なのでは?と思えます。
しかし、ダリエンにおける失敗と衰退は以下の項目をもって進んでいきます。

スコットランドからの遠征失敗
◆切り売りされる自然
◆間違った森林再生事業

スコットランドダリエンの魅力に促され、最初の植民地を作るべく、遠征を試みました。
しかし、これはのちに「ダリエンの大災害」と呼ばれるほどのスコットランド最大の経済惨事になりました。
16隻ほどあった船が1隻しか残らなからずに、ダリエンの遠征は新しいスコットランドを作るどころか、ひどい結末に終わりました。

これは、外国の手が加わらなかったことが、ある意味では開発が進まなかったことへとつながります。

次に、自然が豊かなダリエンでは、周囲に広がる自然を仕事に利用することを大勢の人が考えています。
例えば、森林、砂、石は売り物になり、公有地に牛を放し飼いにして開拓をする者もいましたが、これらの行動によって、ジャングルは急速に失われていきます。
2018年の時点で、フランスの国土(50万ヘクタール越え)くらいの森林が失われているようです。。

失われた森林を再生するべくして、政府は植林事業を打ち出しましたが、木の種類を指定せずに事業を打ち出したために、東南アジア由来のチーク材(正式名称:テクトナグランディス)が植林されました。
葉が大きく、落ちた葉は酸を発生し、昆虫を殺して、森林は一層ダメージをおってしまいました。

政府の介入が必ずしもうまい方向に働かないという典型的な例を示すことになり、物事はそう単純には進めないようですね。。

それでも、経済移民は、治安は問題視され、環境問題もある土地を通過点として選びます。
本書では、「市場のもう一つの失敗」として、ダリエン地峡を通り抜けられる安全経路がないことをあげております。しかし、命の危険が伴う移動ルート(ネパールから、インド、ロシア、スペイン、ボリビアを経由してカリフォルニアへ)は、資金と体力も必要としていますが、この資金は略奪の標的となります。

ダリエンは、経済の失敗により引き裂かれ、再生を実現できていません。
政策も裏目に出てしまい、市場は簡単に修復できないほどにねじれてしまい、人々が自分の行動に伴う社会的コストを顧みない経済が行きつく問題点を示唆してくれています。

 この部にはほかにも2つの土地「キンシャサ」と「グラスゴー」についても書かれています。
失敗の経済がかなり深刻であることが書かれています。

そんな感じです。ありがとうございます(/・ω・)/
つぎの部続けて読んでいきます。