くしだんご

ひとまず気楽に自分らしく

量子って

量子論とかの本は好きで読んでいるので、とりあえず手に取って読んでみるっていうのが日課

大関 真之【先生、それって「量子」の仕業ですか?】

この本は、小難しい数式とかはあえて使わずに、直感的に量子論を説明してくれています。
前半部分で「そもそも量子とは」っていう話をして、後半部分は具体例が多めです。

◆章立て
第1章:量子の素顔
第2章:量子で考える、宇宙と生命の謎
第3章:藤子・F・不二雄と量子の世界
第4章:未来への挑戦

第1章は量子論についてとてもとっつきやすく書かれていて、縞模様の実験、シュレーディンガーの猫の話をはじめ、量子テレポーテーションについて直感的に理解できます。

特に取り上げたいのは、第3章です。
子供のころに、ドラえもんを見た人も多いかなと。。

dora-world.com

ドラえもんで登場した秘密道具が、量子の世界で考えれば作れるかもしれないという内容。
日ごろ、ロジカルなことばかり考えている人にはいい頭の休息になります(笑)

〇秘密道具1:通り抜けフープ

通りぬけフープ - ドラえもんのひみつ道具を一つもらえるとしたら

あらゆる場所を通過できる(笑)、魔法の道具。。
量子の世界であれば、小さな粒子は壁を通過し、現実の世界では「超電導」がこれに該当する技術になります。
本書の簡単な説明を引用すると、「普段仲が悪く個人プレー」しがちな電気の粒たちが、「温度を低く」することで、動きを制限されるため、統率のとれた動きをします。
集団で動くために、一粒一粒が通り抜けられるか?ではなく、集団で通り抜けられるかの問題となり、通り抜けの可能性が高まります。

〇秘密道具2:もしもボックス

もしもボックス - ドラえもんのひみつ道具を一つもらえるとしたら

もしもあの時に戻れたら…、悲観的になる必要はないと思いますが、過去のことは考えてしまうことが一般習性としてあるかと思います。
量子の世界では、複数の可能性を持ちうることができます。
どちらを選ぶかではなく、両方取ることができるので、とても幸せ?と思いましたが、無数の世界の中でどの選択をとれば自分の望む未来になったのかを考えるのも、また難しい気もしています。一長一短ですね。
本書の中では、体に現れたかもしれない異常を事前に防ぐことが、医療分野におけるもしもボックスに該当している(考えられる可能性=もしも)ではないかと書いています。

〇秘密道具3:タイムマシンはできるか?

タイムマシン - ドラえもんのひみつ道具を一つもらえるとしたら

自分以外の世界を元通りにすることができたら、それはそれでタイムマシン。
うん、必ずしも確かに未来・過去に自分が移動するのではないっていうのは納得です。
すべてを元通りに戻すということは、物事が無秩序の方向に自然と向かっていく摂理に反するので、なかなか実現は難しいのかなあって。
でも、新しい技術とか発見は増えているから、タイムマシンがあったら乗ってみたいかも。。。

そのほか、本書には昨今の「量子コンピュータ」、「量子アニーリング」についての記述があったり、機械学習量子論の関係とかも、あえて数式は使わずに書かれているので、難しい本に手を伸ばす前の導入本としてはとてもいい本だと思います。

それでは、ありがとうございます。