くしだんご

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ニーアル ファーガソン マネーの進化史

ニーアル ファーガソンの本は難解な内容を歴史的事実に基づいて考察されている。

世界を支配するマネーの歴史、その仕組みについて。

ニーアル ファーガソン【マネーの進化史

[ニーアル ファーガソン, 仙名 紀]のマネーの進化史 (ハヤカワ文庫NF)

※画像引用元:amazon.co.jp 公式

貨幣とは何なのか、どうして金融システムが生まれたのか、バブルはなぜ起こったのか

貨幣の価値、そして一攫千金の夢
 『何と交換してもらえるのか』
 おそらくこれに尽きる。社会に貨幣の供給量が増えたところで豊かにはならない。

 価値を裏付けされる制度が必要とされた時代から銀行が誕生し、貨幣が以下のポイントを抑えて進化していく。
(1) 銀行間、銀行内の取引
(2) 部分準備銀行制度
(3) 中央銀行の登場と紙幣発行の独占

◆バブルと戯れて

【世界最初のバブル】
天才ジョン・ローが引き起こした世界で最初のバブル経済とその崩壊の歴史を学ぶ。バブルのパターンは以下の5つ。
(1) 異変:特定の企業に利潤追求の機会
(2) 多幸症、過剰取引:株価の急上昇
(3) 熱狂:投資家が飛びつく
(4) 逼迫:インサイダーが利食い
(5) 急激な反動:アウトサイダーが必死に株を売り逃げ

【1930年 世界恐慌の引き金】
・1914年の第一次世界大戦の中でヨーロッパ以外の諸国では農業と工業が発展
⇒ 慢性的な供給過剰
・供給過剰であるが、技術革新は進み、市場にとっては好材料
⇒ 景気が天井知らずと考えるときほどバブルが起こる
連邦準備理事会(FRB)の金融政策
⇒ 金本位制の維持と、米国内への大量の金貨流入を阻止して通貨供給量の増加を食い止めた

しかし、このときにFRBが本来取るべき策は、柔軟性に欠ける引き締めではなく、流動性を注入すべき施策だったはず。
ただし、そもそも金本位制に問題があったのではないかとの見解もある。

繰り返しになるけれど、歴史に学ぶことはないとの見解に対して、
(1) 資産価値の急激な下落に対して、不適切・柔軟性に欠ける禁輸政策は景気後退を引き起こす
(2) 安定した為替レートは、国内のデフレを補って余りあるほど大きくない。必ずしもデフレを抑えられるほどの効力はない、ってことですね。

ボリュームがある本で、世界史をさら~と学んでいただけでは知らない内容が多数。
行動経済学についても終章で触れられてるため、人間の行動原理が金融システムの不安定さに与える影響とかも記載されています(*'ω'*)

ニーアル ファーガソンのほかの書籍もめちゃくちゃ面白いです(*'ω'*)
例えば、
スクエアアンドタワー!

[ニーアル ファーガソン, 柴田 裕之]のスクエア・アンド・タワー(上)―ネットワークが創り変えた世界[ニーアル ファーガソン, 柴田 裕之]のスクエア・アンド・タワー(下)―権力と革命 500年の興亡史

※画像引用元:amazon.co.jp 公式

なかなか骨のある長い本ですが、組織改革と男女共同参画社会とかが推進しきれない理由が見えてきます。世界はスクエアとタワーが共存する(*'ω'*)