くしだんご

ひとまず気楽に自分らしく

極限の経済 エクストリーム・エコノミー 第3部 (2)

国際女性デーという日が来て、ニュースでも男女平等が訴えられていますね。
女性についての記事となると、コロナウイルスが蔓延する中で自殺率の増加も目立ったようですね。
国際女性デーにおいて、以下のような記事も出て、性別というものを超えて、この時代をいかに変えていくのかを考えるきっかけになっているかと思います。

www.vogue.co.jp

ではでは、これが最後の章の紹介です…

Richard Davies【エクストリーム・エコノミー 大変革の時代に生きる経済、死ぬ経済】
(2020年10月9日)

前回からの続きで第3部の
「フューチャー 未来の経済」
を説明します。

知るべき極限状態は、
再生、失敗、未来
です。
格差がかなり顕著な世の中になってきているので、今回は格差の極限の経済圏を見てみたいと思います。

◆第8章 サンティアゴ

チリ:
強い経済の中心地であり、1970年代には貧困国であったが、国民所得中南米で最も高い上昇を遂げて、先進国に一気に駆け上がった国
チリの首都であるサンティアゴはその経済の中心にあたります。
しかしこの成功の裏にはすさまじい不平等を生み出したという現実が以降の話になります。

www.tokyo-np.co.jp

経済的に成功はしてきたチリのサクセスストーリーは、実は学問と現実世界に差を生み出しました。
シカゴボーイズの誕生】:限りある資源を配分する方法として市場を信頼する。国や政治家による人為的な操作に対しては警戒
サルバドール・アジェンデ大統領の政策】:政府が市場を管理する必要があると考え、国営化・農業改革へ乗り出す

上記の2つが正反対のものであると気づいていただけたと思います。
学派としてはシカゴボーイズの考え方が生まれてきたのに対して、現実では市場に積極的に介入していく政策が行われました。
その結果、
・政府の赤字は3%(1970年)から、30%(1973年)に急増
・平均25%程度のインフレが、250%(1972年)、650%(1973年)に急騰
という打撃を自国の経済に与えました。

この悲惨な結果を生み出したアジェンデ大統領は軍事クーデターによって退任に追い込まれ、自ら命を絶つこととなります。

その後のチリの発展は以下のような構成要素からなります。
【チリ基準の中流階級
チリにおいては、世帯の貧困ラインが月60万ペソであるけれど、この貧困ラインをわずかに超えた人たちは実は「中流階級」とみなされていないです。
しかし、ペラペラの板で作った家に、電気をコミュニティで共有してしのいでいる現実があります。

【教育のアパルトヘイト
チリでは、富裕層のための教育商品と貧困層のための教育商品に分かれています。
 〇一番下の貧困層サンティアゴの生徒の34%):無償の教育が受けられる学校
 〇中間層(サンティアゴの生徒の60%):政府が補助金を出してくれるが、親にも自己負担を求める学校
この中間層に含まれている人たちはかなり不利で、親の負担額が年間千ペソというわずかなものから、年間24万ペソを超えるものまであるみたいです。

本書に書かれていて恐ろしいなって思ったことが、サンティアゴでは就職志願者に対して以下の内容を書かせます。
出身高校…
その学生の人脈を見るってことです…。どこの学校に通っていたのかがわかるからです。

そして高学歴の労働者は、、
「設立された大学に通って授業料を納め、資産をはぎ取られる」
という…。

まとめですね。
急成長不平等が生み出したこと…、
自由市場が常にわたしたちに恩恵を与えてくれていないですよね。
サンティアゴの地では、
 〇基本的な欲求は満たされている
 ×教育、主体性などの高度な欲求には届かない
など、人間の高位欲求にはかなり厳しい現実があります。
学業を重んじるのではなく、どこに通ったのか?どこの学校を卒業したのか?、こんなことが問題視されている中で、基本的な必需品を政府が配給する必要があるという事態になっています。
つまり、頑張っても特に報われずに不平等に飲み込まれる人が大半ということだと思います。

最後に、この章の一節を引用します…
サンティアゴでは、このエクストリーム経済のまっただなかを生きる若者たちが、市場とはそもそも信頼に足るものかどうかを問いかけつづけている」

こんな感じです。ありがとうございます(/・ω・)/
まとまりなくて申し訳ない気持ちになりました。
本当に面白い本ですので、ぜひ読んでいただければ、と。
ありがとうございました(/・ω・)/