くしだんご

ひとまず気楽に自分らしく

資本論~勤労者が持つべき武器とは~

う~ん、慢性的に残業がはびこっているJapanに生きていると、ああ、資本を持つものと持たざるもので完全に二分化した世の中なのかな。。とか思ってしまうかも。
ただ、何もかも二分化して考えたがるのって、そういう簡易的に考えたい主義らしいけどねえ。。でも、格差についてはもう世の中顕著かも。。

加速する富の集中、世界42名の「超大金持ち」が資産を独占 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

この記事が出てから久しいなあ。資本主義は資本家のための経済だから、毎日のニュースを見る中で結局は資本家の意向が影響するのかな、と思ってしまうこともありませんか、、?いったい、雇用を守るとは、誰のためなのか。。
まあ、実際に影響与えているとは思わないけれど(笑)
資本主義が企業間の競争を生み出して、市場からの成長圧力がかかった企業・個人が生き残れるのかは、先見の明があるかないかってことなのかな。。

でも、身分もなければ、資本もない。何も持たないからある意味、勤労者は自由。
ほんとうにそうなのかなあ。

白井 聡さんの【武器としての資本論】(2020年6月5日 第4刷発行)

<本書の構成>
◆第 1講:本書はどんな『資本論』入門なのか
◆第 2講:資本主義社会とは?
◆第 3講:後腐れのない共同体の原理「無縁」
◆第 4講:新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」
◆第 5講:失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識
◆第 6講:「人生がつまらない」のはなぜか
◆第 7講:すべては資本の増殖のために
◆第 8講:イノベーションはなぜ人を幸せにしないのか
◆第 9講:現代資本主義はどう変化してきたのか
◆第10講:資本主義はどのようにして始まったのか
◆第11講:引きはがされる私たち
◆第12講:「みんなで豊かに」はなれない時代
◆第13講:はじまったものは必ず終わる
◆第14講:『こんなものが食えるか!』と言えますか?

結構ボリュームがある印象受けますよね(笑)
それぞれの講はそんなに長くないので、印象よりはすっと読める本です。

そもそも論として、わたしは資本論を雰囲気でしか学んだことがなかったので、最初から読んでいきました。

今回特に私が中心に取り上げたいのは、昨今の流れを見て第8講です。

◆第 8 講:イノベーションはなぜ人を幸せにしないのか

 働いている人たちがほとんどだと思うので、「資本制」に支配された世の中だと、実は自分のために生産性を上げたように思っても、すべては資本のために生産性を上げたに過ぎないんですね。。

分かりにくいですね(笑)

労働を「必要労働」と「剰余労働」に分けて考えると、「必要労働」はやらないといけない労働ですよね??
例えば、朝9~17時的な感じでしょうか。
その後の余分な労働時間は「剰余労働」ですね(汗)

この余分な労働時間が無限に増え続けることは望ましくない。
これは「絶対的剰余価値」の限界と考えられます。

じゃあ、生産性上げたらいいんじゃないって思った方、正解です。
それは「相対的剰余価値」の追及になりますね。
一個人として生産性を上げまくっていくことがある意味で幸せかもしれないですね。
昨今の働き方改革とかも生産性を追求していますが、これも冷静に考えれば、資本を持った雇う側が恣意的に労働者の仕事の価値を決められるようになるってことですよね。。

う~ん、じゃあ生産性を爆上げするテクノロジーの発展はいったい何に寄与するのって思うと、これは「特別剰余価値」の獲得競争になります。
GAFAMがオラオラ突き進めていくのは、
現在の技術 - 未来の技術
にギャップがあるからですよね。。
日本においても、技術の発展はいけいけどんどん。

トヨタや日産、走行機能をソフトで更新 自動運転など: 日本経済新聞

テレワーク継続9割・日経調査 コロナで変わる働き方|NIKKEI STYLE

でも、このギャップが実はすべての企業を苦しめることになります。

競争相手が全力で走っているのだから、自分たちも同じ向きに全力で走らないといけない。。
これが市場を支配して、結果、イノベーションはどんどん加速していきます(´ー`*)ウンウン

いいか悪いかの問題ではなくて、一個人としてイノベーションの最前線で戦うのは大変ってこと。

最近の技術の発展する速度は半端ないですよね。
2030年とか2040年を見据えた本が世の中にたくさん出回っているってことは、その時代が来るってこと。
逆を言えば、会社で働いてるときに変化できない人を目にすると、厳しい世の中だなあって思う。「昔のあなたの姿 イコール 今のあなたが後輩に目指してほしい姿」って方程式が成り立っているんだろうなって。。
もちろん、その時代もよかったんだけどね。必要な時代だったはず。

日本の会社とかは3年とか、職人レベルになるには10年以上訓練期間が必要みたいな雰囲気ありますよね。
この思想は、基本的に10年とかその道にいる人たちの価値を下げないために通例になったもの(本書、第10講参照)。

「会社を3年でやめる若者」が減らない根本原因 | 就職・転職 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

3年とかで消えてしまう人を、忍耐がないとかいうのも間違い。でも、人生は順番・段取りが大切だって思うと、計画性なく飛び出した先に未来はなさそう。
~自分が持っている「資本」はなんだろう~
そんなことを考える時期なのかも、ね。。

◆まとめ

【人類史の中で、ありえない速度で技術発展が進んでいる時代】
5Gが出てきたと思ったら、6Gを確立させて自動運転が普通な世の中になる?
スマートフォンはもっともっと小さくなって、どんな形のデバイスになるのだろう。
【生産性を推し進める社会おいては、物質的な豊かさと同時に、貧しさを作り出す】
ここでいう貧しさとは質的な貧しさのこと。
精神的な貧しさとかをここで問題にしたくはないけど、生産性を推し進めた世の中で、自分が持っている・持つべき「武器」はなんだろうって思います。

それじゃ、ありがとうございます。